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矛盾から目をそらさない

by inayamablog, 2014年2月28日

飲食の「売上を上げたい」とおっしゃる2つのお店。
それぞれちょっと気になることがあります。

A.利用者に野菜をたっぷり使ったヘルシーな給食を提供している。
それを日替わりランチメニューとして店で売っているが、
固定客のみで売上が伸び悩んでいる。

B.シェフの作ったおいしいランチを近隣の方たちにゆっくりくつろいで
召し上がっていただきたいと思っている。
値段はドリンクつき500円。好評だが、これでは儲からない。

Aは、地域のお客様にとって、
魅力的なランチメニューになっていないということ。

口ではヘルシーにと言いながら、
お客様は、おいしいものをたらふく食べたいと思っているものです。

自分がお客さんだったらと思えばわかりますよね。

たまにはヘルシーもいいけれど、
普段のお昼は、ラーメン、チャーハン、揚げ物のがっつり弁当、
コンビニパスタ。

栄養なんか気にせず、好きなもの、おいしいものが食べたいのが真のニーズ。
ヘルシーランチの頻度はさほど高くないのかもしれません。

Bは、ワンコインで長時間滞在いただいたら、
もうからないのは目に見えています。

何のためにカフェをやるのか、お客様は誰なのか、
本当に提供できるサービスは何なのかを明確にする必要がありますね。

工賃が生み出せないカフェをやってはいけません。
ゆったりした席で、ゆっくりランチを召し上がっていただいて、
ランチタイムの回転が1回転でもいいというのであれば、
客単価1000円くらいいただかないと、採算がとれません。

どちらも改善策を講じることによって、
売上を上げることは十分できると思います。

けれど、その場合、矛盾する2つの現実に向き合い、
どちらかを捨てる意思決定が必要です。

Aの場合その2つとは、
「ヘルシー」をとるか「売れるランチメニュー」をとるか。

Bの場合は、「ゆったり」をとるか「リーズナブルな価格」をとるか。

どっちも・・といったら、結局どのお客様も満足させることができません。

まずどちらかを追求し、お客様に満足いただく。
そうすれば次の展開も見えると思います。

難しいのは、すでにこれで店を回しているということ。
スタッフも利用者もこのスタイルに慣れてしまっています。

意思決定はトップがすることですが、実際にできるかどうかは、
現場が納得して、変化を起こす力にかかっています。

数の変動、お客様のオペレーションの変更など多少お店がぎくしゃくしても、
動じずやれるチームワークが必要です。

事業所の店に限らず、素人がみても「なんかいけてない」と思う飲食店、
珍しくないと思います。

メニューとサービス、ハードとソフトなど、
居心地の悪さにつながる「矛盾」に気づいていながら、
ダラダラ続けている店なのではないかなと思います。

遅かれ早かれそういう店は淘汰されます。
飲食って厳しいなあと街中の店の移り変わりを見ながらいつも思います。

私たちも同じです。
おかしいと思いながら続けていては、工賃も地域との接点も、
利用者の充実した仕事も生み出せません。

プラスの改善ではなく、矛盾解消のために
「できないこと・重要でないことを捨てる」改善、やってみましょう。