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1年中、イベント好シーズン

by inayamablog, 2014年1月23日

雪のチラつく長野で仕事を終えての帰り道。
ある本を開き、「はじめに」の部分に書かれていたエピソードにハッとしました。

小阪裕司さんという
「情報学の博士でもあり、人の感性と行動を研究し、
マーケティングの著書も多数ある」方の本で紹介されていました。

そこは、地方のある豪雪地帯。
俗にいう「ニッパチ」(2月、8月)のとおり、
2月はどの店も売上が低く、寒くて人も外に出てこないことが
わかっているので、仕入れをおさえて、春を待つというのが「常識」でした。

けれど、ここで食品スーパーを営む経営者が、ふと思いました。

今までは「2月は売れないのがあたりまえ」と思っていたけれど、
お客様はこうして来てくださっている。
それなのに、いつもより品揃えが少ないというのは
こちらの身勝手な都合なのではないか・・

そこで、売れるかどうかはわからないけれど、
いつも以上に品揃えを厚くし、特に、生活必需品というより、
「心を豊かにする商品」を意識的にそろえて、POPを作って並べてみました。

結果は・・
お客様が通常の月以上に来てくださり、売上増となった、というのです。

他店との違いが鮮明になり、
お客様からファンレターも届くようになったというエピソード。

ハッとしました。

2月は売れない。
暑い時期は売れない。
人口が少ないから売れない。
高齢者ばかりだから売れない。
ここは空き店舗ばかりの商店街だから売れない。

そんな勝手な「常識」を作って、
まあしょうがない・・と思っている自分がいないだろうか。

売れる・売れないだけの話でなく、
〇〇だから、と勝手に作った「常識」に縛られて、
「だから出来ない。無理」と決めてしまっていないだろうか?

長野の皆さんにも言って帰ってきたばかりでした。

「季節変動はあります。それを加味して、計画を立てましょう。」
確かに、実績ベースで、現実的に厳しく計画を立てることは大事。

けれど、計画は意思を持って立てるもの。
2月だから自動的に目標を下げればいいってものではない。
しょうがないと思って立てる目標なんて、ないのも同じ。

2月だからこそ、雪でもご来店くださるお客様に感謝して、
いつも以上に喜んでいただける品揃えを・・と考えれば、
特に目標を下げる必要はない。

ああ、こういうのを「クリエイティブな仕事」というのだなあと思いました。
世間の常識や、これまでの傾向にそのまま流されるのでなく、
本当に大切なことは何か、お客様が何を望んでいるかをじーっと眺めて、
考えて、流れを変えてみること。

革新的な商品を発明しなくても、設備投資をしなくても、
デザインのプロじゃなくても、
創造的な仕事はできるんです。

長野の皆さん
2月のナイスハートバザールも大丈夫。
雪でも寒くても、会場に足を運んでくださるお客様を、どうやって
喜ばせるか、みんなで知恵を絞って、精一杯の“おもてなし”をしましょう。

結果はあとからついてくる、です。きっと。