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「厳しさを乗り越えた喜び」を感じあえる職場に

by inayamablog, 2013年4月8日

FVPにとって、小倉昌男さんは特別な存在です。

「場所に届けるんじゃない、人に届けるんだ」
宅急便のコマーシャルをみるたびに小倉さんを思い出します。
小倉イズムを感じます。

だから、折にふれ、小倉さんの書かれた本や発信されたメッセージを再読します。
「小倉昌男の福祉革命 障害者『月給1万円』からの脱出」は今もバイブルです。
今回読み直してハッとしたのは、「障害者の働く喜び」に関連する以下の3つの記述。

①お給料をもらってりゃいいんですか。そうじゃないでしょう。
働くっていうのは喜びなんですね。生きがいなんですね。じゃあ障害者の方に働く
喜びを与えていますか。私はいちばんそれが言いたいんですね・・・

②パン屋というものは、一つ百円程度のものを毎日毎日作っていくらの商売ですから、
ともすれば作るほうや売るほうが疲れてしまうんですね。
単調になりがちな毎日のなかで、喜びを見出していける方は長続きをする。
パン屋に、逆転満塁ホームランはないのです。

③最終目的は、あくまでの一般企業での就労だと思っています。作業所はそこにつながる
ステップ、懸け橋ですね。
・・・まず作業所で働く厳しさと、厳しさを乗り越えた喜びを感じてほしいと。
そのためにセミナーを繰り返しやってきたわけです。

(「小倉昌男の福祉革命 障害者『月給1万円』からの脱出」 小学館文庫より)

①が示すのは、工賃アップは目的ではない。
目的は利用者に働く喜びを提供することだということ。

わかってるはずなのに、工賃向上計画だ、目標工賃だ、平均工賃より高いだ、
低いだと言っているうちに目的を見失ってしまいそうになります。

「利用者の支援に手一杯で工賃アップまで手が回らない」なんて言ってる場合じゃない
ことにも気づけます。
利用者の喜びを大きくすることは支援そのものですから。

②は、タカキベーカリーの社長の言葉。プロがいうのだから間違いないです。
ここが、工賃アップのキモだわ!
やりがいのある仕事で利用者が喜びを見出し、利用者の喜びを自分の喜びにする
職員がいて、毎日大変だけど、頑張る事業所。

いい支援ができている事業所は、他のパン屋に負けない強みを持っているという
ことじゃないですか。

こういう事業所は、パン屋でも、「1個100円」の商売をしている他の生産活動でも
うまくやれるということなのだと確信しました。

③は、「ただ楽しい」ではない、働く喜び。
厳しさを乗り越えたときに本当の喜びを感じられるという質の高い喜びを提供できるのが
「仕事」だということ。
これは、利用者だけでなく、働く人すべてにあてはまるメッセージです。

宅急便のセールスドライバーをみて小倉さんが実感されたという「働く喜び」。

これを大事にすると、利用者、職員の別なく、一人ひとりにスポットライトがあたるような
気がします。

がんばりましょう。