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商店街という地域の中で働く

by inayamablog, 2015年11月12日

東京都の工賃アップセミナー事業。今日の視察は、多摩市内の4事業所です。
道をはさんで両側2つの商店街に、4つの事業所、6つのお店があります。
B型事業所集中出店地域。
考えてみたら、そんな場所、あまりないかもしれませんね。

6つのお店はそれぞれ、
・ベーカリー
・自然食品店
・古書とフェアトレードの店
・うどん・そば店
・焼き菓子の店
・豆富店

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(左が「あしたや共働企画」、右が「どんぐりパン」での様子)

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(「工房れすと」での様子)

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(「暉望」での様子)
 

受講者の皆さんの熱心さもさることながら、説明する施設長さんたちが熱い!
各店舗で説明を受け、見学し、お買い物していただいて、
最後の1時間は意見交換会を行いました。
製造・販売・営業・商品開発・・といったことは各店舗で十分説明があった模様で、
その場で出たのは、職員の意識統一の方法や利用者のモチベーションアップ方法に関する質問。
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(質疑応答の様子)

「あまり人の流れのない商店街(遠慮気味に・・)なのに、働いている人たちがみんなイキイキ元気なのはなぜですか?」
→店だけで売ろうとは思っていません。待っていてもダメなので、外に出て積極的に販売しています。
でも、店売りもまだ伸ばす余地はあると思っています。ダメだといったらそこで終わりじゃないですか!

「職員は最初から工賃向上に前向きだったんですか?」
→採用のときに、「作業のできない職員は利用者から信用されない。職員が一緒に仕事をするのはあたりまえ」と伝えています。
→古い職員のほうが意識を変えにくい。5年くらい前に理念を話し合った。合わない人は徐々にやめた。

「ぶっちゃけ、売上と支援の両方を考えたときに、利用者のやりたい気持ちに添えないことってあるんじゃないですか?ジレンマを感じることないんですか?」
→やりたいという声には応えるようにしている。実際やってみて、できないことも多い。本人が納得してから、やれる仕事を担当してもらうようにしている。
等々本音ベースの質疑応答が続きました。 

4事業所とも25年度より26年度の工賃は増加しています。
お互い切磋琢磨しながら高めあっているんですね。
「人通りの少ない商店街」で事業所が気をはき、地域の活気を事業所自ら作っています。 

環境のせいにせず、言い訳もせず、前向きに頑張ることを職員が徹底する。
隣のB型も同じように頑張っている。
それを見ている利用者も迷わず頑張って働く
・・地域で障害者の就労を支えるってそういうことなんだなと思いました。

かつては、施設が商店街で店を開くなんて考えられないと断られたこともあるそう。
でも、今は逆に、「いよいよ店を閉めることにしたけれど、できればこの後、居ぬきで
事業所に借りてもらって、店の灯をともし続けてほしい」と頼まれるようになった。

利用者の働く姿ももちろん評価されているということです。
ああ大変と言いながら元気なわけがわかります。