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農業はネットワーク事業

by inayamablog, 2016年1月29日

共同受注窓口があちらこちらで誕生し始めた頃、
連携、共同化とは何だろう?と思い、
福祉以外の共同化について、調べたことがあります。

その時見つけた「中小企業が連携する動機」という解説には、
こう書いてありました。

なぜ、中小企業が他社と組んで連携するか。
1.受注の減少
2.現状への危機感
3.取引先のニーズの変化
4.成長分野への展開
どれもなるほど、と思う理由です。逆に言うと、理由もなく、
ライバル企業同士が「手に手をとりあって」連携することはないのですね。

事業所の共同化はどうか。
1.受注の減少・・企業同様厳しい状況はある。
2.危機感・・ある(かもしれないし、実はあまりないところもある)。
3.取引先のニーズの変化・・優先調達推進法はニーズの変化のひとつ。
4.成長分野への展開・・なんだろう???

この前、ある地域の農業プロジェクト会議に参加しました。
これがもしかして「4」の共同化かも、と思いました。

耕作放棄地が多い。
高齢化した農家から「助けて」の声がかかる。
机上の話でなく、身近なところで、本当にある。

これは地域の中で、事業所が活躍でき、貢献できる仕事が
あることを示しています。
私たちにとっての“成長分野”に違いない!

そして、いざやろうとすると、1事業所では限界があることに
すぐ気付きます。
・情報がほしい。
・専門家の力がほしい。
・職員のスキルが足りない。
・マンパワーが足りない。

高齢農家の「助けて」に応えようとすると、必然的に
連携したくなるのですね。

各事業所の状況が率直に語られ、
どうしようかというアイデアが次々出て、
とても楽しいプロジェクト会議でした。

自然相手の農業って、そもそも、繁忙期は助け合ってやっていたものだと
聞きます。作付けも収穫も時期を逃したらアウトですから。
会議が元気な理由がわかりました。

うちは今、手一杯なので今回の作業はできません。
今月は事業所の行事があるのでこの日は協力できません。
軽作業の共同受注でよく聞くセリフですが、
農業の場合、そんなことは言っていられません。

「なんとかしないと、もったいない」ですから。

 地域の農業をなんとかしたいという使命感は、
事業所の活力、利用者のやりがいにもつながります。
そのために連携が不可欠なのだとしたら、
農福連携は、あるべきネットワーク事業なんだなと
気づきました。