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共同受注の目的

by inayamablog, 2016年6月26日

今月は事業所を訪問したり、電話で話したりすることの
多い1ヶ月でした。

工賃アップを念頭におきつつ、
「共同受注をどうするか」
「新しい事業として何をやるか」
「今年はあの場所を借りるのにお金がかかるって。どうする?」
「市や区の仕事。印刷のオーダーが多いけれど、受けられない。どうする?」
話題は事業、売上、お客様に関わることが中心です。 

職員の後ろには事業所があり、利用者がいる。
そのことが、問題を複雑にしています。
理想論、一般論で判断では済まないことを皆、知っているからこそ、
新しいこと、これまでの枠組みを超えることには慎重になる。
だから、大きな夢や目標を無邪気に口走ったりしない。
共同受注の話ともなると、さらに慎重論が出るのも
やむを得ないことだと
思います。 

けれど、じっと聞いているうちに、気がつきました。
利用者の仕事や暮らしについて、事業所の日常について、
熱心に語る話の端々に、
「利用者の幸せのため、今より良くなるチャンスがあるならば、
そのチャンスを逃さず、何でもやる」覚悟がこの人たちには
あるのだということに。 

「共同受注で平均工賃は上げられるのか」
「共同受注、本気でやりたいと思っているのか」
ネットワーク支援をしているのにも関わらず、
もやっとしている部分がありました。
 

「集まりましょう」「連携しましょう」と言ったところで、
個々の事業所の状況も目指すところも違う集団が、
ベクトルをあわせ、仕事を共同で受注し、
地域全体の平均工賃にまで
インパクトを与える成果を
上げることはそう簡単ではないと思うからです。
 

でも、この1ヶ月、「仕事=人生」という福祉の現場の皆さんの覚悟を
改めて肌で感じ、わかりました。 

共同受注の目的は、
「利用者の未来につながる仕事の創造」である、ということ
 

・その仕事は、行政で仕事をする人たちの障害者理解につながる
・その仕事は、市民と利用者の接点を増やす
・その仕事は、継続性があり、多くの利用者の経験を広げる
・その仕事は、地域貢献につながる
・その仕事は、企業とともに新しい価値を創造するきっかけになる
・その仕事は収益性が高く、参加する利用者の自立に貢献する

そういう挑戦こそ、事業所が望むことであり、共同で取り組む
価値あることなのでは
ないでしょうか。

 もう、もやっとしません。
地域の利用者の未来に役立つことをする上で、
地域の事業所が一丸となって、
組みたい相手に
提案することは、とても有効です。

工賃の結果はあとからついてくるはず。
早く、楽しく、面白くやりましょう!