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“ともに働く”共同受注

by inayamablog, 2016年10月16日

東京世田谷区では、ライオンズクラブの会報誌を

月1回封入・発送する仕事を共同で行っています。

「今月は○日。希望する事業所は午前・午後の希望とともに

事務局に連絡ください。」

毎月10カ所前後、利用者20人ほど集まって、

35,000部の会報誌を手際よく封入していきます。

 

時給1,000円の仕事として提供しており、

参加事業所にも利用者にも評判の良い仕事。

工賃にも好影響を与えていることはもちろんなのですが、

現場を見せてもらって、

ここの「共働」の面白さに気がつきました。

 

何事もなく、やっているけれど、同じテーブルに

2つ、3つの事業所の利用者と職員が混ざっています。

わからないことがあれば、他施設の職員や利用者に

聞いたり、お互いに確認しながら作業しています。

もちろん、障害種別もバラバラ。

「部数を数える」という工程があるので、

精神障害の方がやや多いようですが、

知的障害の方も、できる工程を受け持って、

集中力を発揮して作業を進めています。

時折、声の出る方もいるし、歩き回っている人もいます。

でも、みな平然と作業を続けています。

なんかいい雰囲気。

 

10カ所、20名の顔ぶれは毎回異なるとのこと。

だから毎回、編成チームは異なり、毎回新たな

出会いや小さな変化が起こっています。

 

資材の到着が遅れて、作業時間が短くなったり、

台風接近で予定の事業所が来なかったり、

冷や冷やすることもたくさんあるけれど、

でも、なぜかちゃんと終わるんだよね~。

7年の経験からか、事務局も余裕の笑顔です。

 

工賃向上に寄与する仕事であることは間違い

ないのだけれど、ここに参加する目的はそれだけでも

ない様子。

 

一般就労を目指してほしい人を連れてきて、

いつもと異なる環境下の仕事を経験してもらったり、

働く意欲を高めてもらいたいと思う人に

他の事業所の利用者の仕事ぶりをみてもらったり。

時給1000円にふさわしい戦力として

利用者を出す事業所では、この仕事に出られることは、

誇りです。

 

適度な緊張感と一体感のある職場が利用者に刺激を与えています。

 

午前担当の人はお昼で終了。

ほっとした顔で、感想を述べあって解散です。

 

「お疲れ様でした」

「じゃあ、またね」

特別支援学校時代の同級生とここで再会した人もいます。

商店街でごはんを食べて帰るのが楽しみな人もいます。

 

共同受注センターがあっても、実際に「共働」している事例は

あまりないのではないでしょうか。

 

地域の利用者が仕事で出会う場があること。

バザーでテントを隣にするのとは違う次元で

交流が生まれます。

共働の経験が、何かの折に生きるのではないかと思います。