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倍速作業と適正価格

by inayamablog, 2016年12月4日

軽作業で工賃を上げるのは難しい。
けれど、不可能ではない。
そう思っていました。
少ないけれど、そういう事業所の存在を知っていたからです。

取引先から言われるままの単価で、
納期の厳しくない作業を選び、
誰でもできる仕事だけをやっていては
もちろん、高工賃は望めません。
けれど、目標を高く持ち、どうすればできるか考え、
工夫と改善を繰り返すことで、必ず工賃は上げられる。

軽作業で平均工賃4万円超のB型事業所を見学しました。
賃金10万円のA型事業所の話を聞きました。動画を見ました。
そうなのです。また教えてもらいました。 

特別なことはありません。
けれど、この2つの事業所には共通項がありました。
・動きが「速い」。
・「難しい」と思われる作業工程がある。

利用者が軽度なんでしょ、と言って片付ける話じゃありません。
4万円のB型事業所は、新しい利用者さんには、例外なく
「箸袋作業」をやってもらっています。
最初の3ヶ月間、徹底的にやってもらうと言います。
「アセスメント」と「仕事への構えをつくること」が目的です。
目標を定めて、3ヶ月しっかりやると、かなりの速さでできるように
なるそうです。
正確さを求めて細かい指導をする人もいれば、
向きが違っても、あえて注意しないケースもある。
「次」を見据えての箸袋作業なのですね。 

ちなみに10万円のA型事業所も箸袋をやっています。
半球のゼリーを、ひだをとりながら包むといった難し
作業もやっています。
意味があってやっているのです、きっと。 

そして、もうひとつ共通していること。
それは、「価格交渉」。
適正な作業単価を企業に提示する。
交渉不成立の場合、断ることもある。 

すべての仕事が好条件というわけではないけれど、
実績をもとに、自信をもって、価格交渉をしています。
強気の根拠は「利用者を知っていること・信頼していること」。
仕事を真ん中において、信頼できるチームを作っているから
できること。 

腑に落ちました。