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利用者に工賃実績一覧を配れますか?

by inayamablog, 2017年3月11日

年度末が近づきました。
3月の工賃、期末のボーナスを考えているところは
それを支給して、今期も終了ですね。
期末で締め、都道府県に報告し、集計をまとめて、各自治体から
28年度実績が公表されるのが夏~秋頃になりますでしょうか。

A型、B型それぞれの平均はほとんどの自治体のホームページで
確認することができますが、
各事業所の名前と平均をすべて公表する自治体は限られています。 

都内のある事業所の施設長さんからこんな話を聞きました。
この事業所では、都の工賃実績が公表されると、
利用者とともに結果を見るのだと言います。
「昨年度は都内でこのくらいの順位だった。
今期はもっと頑張るので、また一緒に頑張ろう。」 

利用者に対して、こんな話をしている事業所は、
どのくらいあるでしょうか?
自分の事業所が、「去年と比べて上がったか下がったか」と
いう説明はしていると思いますし、全国平均・県平均と比べて
どうだったか、の説明はしているかと思いますが、
実績一覧表を配って説明するという話は聞いたことがなかったので、
びっくりしました。

確かにそうです。
利用者にも説明すべきですよね、自分たちのポジションを。

事業所としての総支給額や平均はさておいて、
「あなたが頑張ったら、上がった」
「あなたにはこういう課題があるので、工賃はこれだけでした」
という説明だけにとどめているとしたら、就労支援事業所として、
説明責任を果たしているとは言い難いと思います。 

「上位だから、できることでしょ」
「平均だけを比べても意味がない」
すぐさま、そんな声も聞こえてきそうですが、
上がっても下がっても、順位が良くても悪くても、
「毎年、一覧表を配って利用者に説明する」と決めている、
その姿勢に、就労支援を行う事業所として責任を果たそうとする
覚悟が示されていて、素晴らしいと思うのです。 

公表される自治体の一覧表、
事業所番号順、地域別などに「PDFで」公表されているケースが
多いと思います。
でもこれだと、高い順に並べ替えることができません。

東京都の場合も順不同での公表ですが、エクセルでダウンロードが
できるため、自分で加工できるんです。 

工賃だけで、就労継続支援事業所を評価するわけでは
もちろんありません。
けれど、一般就労が広がりを見せ、A型事業所も
福祉的就労の選択肢として一般化した今の時代、
「B型だから15,000円の平均レベルでいい」と言って
しまうことはB型事業所とって、リスクだと思います。
「工賃を軽視すること」は「就労支援事業所だけど、
就労支援を重視していない」と公言するような
ものですから。 

頑張りましょう。