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働く利用者、働く利用者に出合う日々

by inayamablog, 2017年7月31日

6月、7月の2ヶ月間。
勉強会や研修や打合せや、その他いろいろあって、
各地の事業所をお訪ねしました。 

島根で見せていただいたのは、シャインマスカットの摘粒(てきりゅう)作業。
特産品の重要な作業工程をB型事業所の利用者が請け負っています。
慣れた手つきで黙々と作業を行っていますが、最初からできたわけではありません。
そこには、障がい者就労事業振興センター、農業技術センター、県、事業所職員、
そしてご本人たちの並々ならぬ努力のもと、ぶどう農家をうならせる技術習得の
プロセスがあったとうかがいました。 

時間はかかっても、付加価値の高い仕事づくりを目指すこと。
未来進行形で、彼らの力を信じられるかどうか、が支援者には問われているのだなと
思いました。挑戦を応援する体制を関係機関のチームワークで作り上げ、その期待に
利用者が応えた、意義ある取組だったのだと思います。

今できること、できそうなことだけを農家に頼んでやらせてもらうことが
「農福連携」ではないことを確認できました。 

熊本では、「見ているだけで目が回る軽作業現場」を見学しました(NPO法人栞さん)。
早送りモードとしか思えない、ものすごいスピードで、箱折、箱詰め、
ラッピング作業を行う現場がそこにはありました。

機械がやっているわけでも、職員仕事になっているわけでもなく、
障がいのあるスタッフの皆さんが主役の職場です。
職員が声をかけます。「もっと速く!」「もっと急いで!」
一人ひとりが目標タイムを決めて、1単位の仕事をする仕組みになっています。
働く人同士も声を掛け合い、お互いのモチベーションを維持している
ようにも見えました。 

生産性向上とともに、営業努力も相当にしている事業所です。
誇りをもって働ける職場を作り、文句なく最低賃金以上の工賃が
払えるA型。社会保険も通勤手当も有給休暇もあるA型事業所です。
目的が明確なので、やっていることに筋が通っています。 

ホームページやフェイスブックでも紹介していますので、
是非ご覧ください。

▼「いい働く場つくり隊」活動報告
http://iihatarakuba.fvp.co.jp/report_1200/detail16/
▼公式facebook いいね!で応援お願いします!
http://www.facebook.com/fvp.iihatarakuba/

なぜ、ここまでやらなきゃいけないのか・・
自問自答してください。
理由はいろいろ言えるけれど、結局、やれることを何も
やってないじゃないか・・
そう気づいて、ハッとします。 

富山では、新たに農業を始めようという方たちが集まって、
自然栽培について、話をじっくり聞く機会を創りました。
飲みながら、語り合いました。
寒いし、雪は降るし、富山で農業なんて、本格的にやれるはずがない。
そう思っていた常識を次々壊し、これまたやってみよう、というプロジェクトです。
一からスタートですから、質問も根掘り葉掘り、具体的です。
質問が具体的であればあるほど、本気度が伝わってきます。 

そして、東京。
ここの焼き菓子はどうしてこんなに売れるのか、というくらい
リピート購入、注文の多い事業所があります。
社会福祉法人はる パイ焼き窯さんです。
その製造室に入らせていただきました。
工程を分解し、できるところにそれぞれ利用者を配置して・・
という作業風景をよく見ますが、ここは違います。 

利用者が一人ひとり、自分の担当するお菓子を、計量から
成形まで責任を持って製造する仕組みになっています。
平均して、午前1種、午後1種。最低2種の商品を作り上げるとのこと。 

もちろん最初から皆さんできたわけではないでしょう。
今も、必要に応じてもちろん職員のサポートが入ります。
けれど、基本、自分で責任もって商品を作り上げる。
責任重大ですが、その分達成感も大きいに違いありません。 

A型もB型も工賃アップも仕事の充実も・・。
チマチマ考えてないで、信念をもって仕事をつくり、
職場環境を整え、厳しく、温かく、粘り強く支援する。 

役得というのでしょうか(笑)。
こんなに素晴らしい現場に日々赴けるのですから。
有難い限りです。

各地での出会いに感謝しつつ、イナヤマも立ち止まらず、
ガツガツ前に進みます。
まだまだ旅は終わりません。
次は、あなたの事業所に・・。