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「まだまだ」の気持ちに、応えたい

by inayamablog, 2014年10月24日

宮崎県で、今年も工賃向上研修をやらせていただきました。
資料の中に参加事業所の平均工賃一覧が入っています。
高い順に並んだ一覧表。
講師だけでなく、参加事業所、すべてがそれを机において、受講する。
なかなか刺激的です。

その中で、上位3位内に入っている事業所の職員さんから声をかけられました。
「以前、この研修に参加して、
頭をガンと殴られたような気がしました。
研修で聞いたことをひとつひとつやって、
大塚さんのブログ、稲山さんのメルマガを読んで、
やっと今、平均3万円を越えたところです。
まだまだですので、もっと頑張ります。」

飛び上がるほどうれしいお話。

***
以前サポートに入った「ワーク&ショップはらっぱ」(渋谷区)に、
別の事業所の方をご案内して見学させてもらいました。
焼き菓子をやっている事業所の設備や支援を参考に、
自分たちもお菓子づくりを始めて、工賃を上げたいという
B型事業所の職員さんです。

はらっぱを訪問するのは1年半ぶり。
”空気が変わった”・・瞬間的にそう思いました。
「適度な緊張と、落ち着きのある職場」がそこにありました。

精神障害、高次脳障害、発達障害の方たちの通う事業所。
通所日数、時間、能力、特性、ニーズがバラバラなところで、
ひとりひとりに合わせた丁寧な支援を心がけているはらっぱの職員にとって、
工賃アップのコンサルは、正直、苦しいことだった。
施設長は言いました。

けれど、いろいろ考え、事業も拡大する中で、自分たちだけでは、
わけがわからなくなっていたので、客観的に、外の人から
意見をもらったことは、自分たちの軸を決める上で必要なことだった。

時給200円を300円に上げたレベルで、高工賃を達成しているわけではない。
時給に差をつけない、と決めたのは自分たちなので、
一律にベースアップできるまで、もっと頑張る。

大掃除もレイアウト変更も何度もやった。
ここに来たら仕事をするのだ、という意識が
利用者にも浸透して、休憩スペースを使う人は
ほとんどいなくなった。

空気が変わるのに、1年半。地道にぶれずに取り組んだから
こうなったのだと、腑に落ちました。

「自分たちの現状と比べたら、ここはエベレストのようです」
同業者にそう言わせるほど、きりっと締まった職場になったという
ことかと思います。
これが就労支援の品質向上の姿でもあると感じます。

「稲山さんが久しぶりに来るっていうから、みんな頑張ったんですよ。」
施設長の言葉には、ただ感謝するばかり。

まだまだ、だとおっしゃるお二人。
まだまだ・・といいながら高い目標に向けて頑張り続けるのだろうと思うと、
こちらも、お二人の気持ちに応えられるよう、お二人に負けないよう、
もっともっとサービス品質向上で、頑張らねばと思います。