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「なくてはならない」存在

by inayamablog, 2013年7月25日

週末、奈良の青葉仁会、三重の維雅幸育会を見学する機会をいただきました。
「すばらしい」のひと言に尽きます。

青葉仁会さんは、カフェ、道の駅(クラフト工房と販売)、ベーカリー、食品雑貨店
(全国の自主製品を含むからだにやさしい食材の店)などを経営しています。

いわゆる「施設らしい門構え」はひとつもありません。

どこからみても、普通の店や普通の工房、そこに、気づけば利用者がいて、
それぞれ仕事をしているという場所でした。

入所授産、通所授産の枠組を経て、今があるということを思うと、「これがあるべき姿だ」
という信念がなければできなかったことだろうと拝察しました。

地元では、“青葉仁通り”と呼ばれる山あいの街道は、県外ナンバーの車や、ツーリングを
楽しむ自転車でいつもいっぱいとのこと。施設建設を歓迎してくれた村に対して何ができるか
を考え、「地域おこし」に長年取り組んできた成果です。

アウトドアグッズのモンベルと提携し、グッズの販売、共同商品の開発、
モンベルのカフェのプロデュースなども手がけています。

維雅幸育会さんの取組みも秀逸です。
株式会社ミルボンという美容室向けヘアケア製品のメーカーと組んだ、
施設外就労のモデルを作られています。

製造の最終工程、パッケージの部分を16人の利用者が担当しています。
周辺作業、補助作業ではなく、製造ラインの重要な一部を担っているのです。

土曜日のため、工場は稼動しておらず、設備のみ見せていただいたのですが、
5つの包装ラインで活躍する利用者の姿を動画で拝見しました。

平均工賃は6万円。文句なくモデル事例です。
この中から、ミルボンの社員として雇用された方もいるそうです。
慣れた環境で、安心して働けます。定着支援もばっちりです。
そこに職員さんがいるのですから。

どちらの法人も、すばらしいところが山ほどあって、簡単には伝え切れません。

ただ一つ、強烈に感じたことは、いずれの事業所も、「代わりのない圧倒的な存在感」
を確立しているということです。
どの事業所も、地域にとって、企業にとって、お客様にとって、なくてはならない存在
なのです。

お客様のくつろぎの場、日常の便利を提供する店、モンベルやミルボンのパートナー、
地域の観光資源。

ここまでやれば、簡単に誰かにとって代わられることはありません。
だから、落ち着いた環境で、しっかり利用者に向き合うことができ、じっくり成長を
支えることができるのです。

会社だって同じこと。
FVP以外は考えられないと言っていただける存在になれるよう、もっともっとやるべき
ことをやらなければ。
そうすることで、 経営理念である「障がいのある人もない人も共に働き、共に生きる
社会の実現」に貢献できるのだという思いを強くして帰ってきました。

がんばります!