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アクリルたわし50万円の発注

by inayamablog, 2016年7月7日

今回も優先調達、共同受注の話です。
ある共同受注センターの強力な営業の成果として
水道局から50万円分のアクリルたわしの発注を受けた、
という話を聞きました。

官公需の実績です。
「昨年度以上の発注をいただけて有難い。」
1個200円として2500個。

日頃そんなに作っている事業所はないと思われ、
地域の事業所が分担して作り上げ、なんとか納品されたのでは
ないかと思います。

手芸品の代表のようなアクリルたわし。
洗剤を使わなくても汚れが落ちるということで、エコたわしとも
呼ばれ、リピート需要もあるらしい。
そんな発注があったらどうですか?と

聞くと、「それはありがたい」と答える施設長は多い。
けれど・・1個作るのにどのくらい時間がかかっているのだろう?
利用者がどのくらい関わっているだろう?

利用者の働く力を高め、事業所の製造・販売力向上につながっていくだろうか?
持続的な就労支援の充実に寄与するだろうか?
と、なぜか手放しで喜べない。

1回の発注であれこれいう話ではないことは重々承知の上で、
「優先調達推進法によって、“やや強引に作り出される需要”には
注意しなければならない」と思う。
瞬間的・一面では「良い仕事」でも、長期的・多面的にみて、
それが利用者にとって望ましい仕事でないものは、
受注しないほうが良いのではないかと思う。
その需要はきっと続かないからだ。

アクリルたわしの受注を否定するものではない。
けれど、それを「ありがたい注文」としていただいた恒例注文にしてはいけない
ような気がする。

その先を考えよう。機械化できないか、できる利用者を増やせないか、
基本の形にプラスアルファで、面白い企画がつくれないか
アクリルたわしの受注をきっかけに、その先を。

パイプを太くし、「こんなことやってみたい」を提案できる関係を今から作りたい。